日田スタイルコラム再録40 2017年6月号掲載 プール開き
川開き観光祭も終わり、本格的な夏の季節に突入する。
そうなってくると、小学生には楽しみなもう一つの「開き」が気になりだす。
「プール開き」
そもそもプールは開くものなのかの語学的疑問はさておき。
観光祭が終わり6月の声を聴くとプールが恋しくなる。
今でこそこの街にも温水プールがあり、小学生でもスイミングスクールで1年中泳げる環境にあるが当時は温水プールなんて未来のもの、芸能人水泳大会で大磯ロングビーチの波のできるプールに感動していた時代。
夏にならないと泳げない、その鬱憤を銭湯や温泉で晴らして怒られた世代。プール開きが待ち遠しくって仕方なかった。
と同時に一抹の不安もよぎる。
去年は25メートルなんとか泳げたけど半年以上ブランクがあって大丈夫なのか?
なんとか掴みかけたクロールの息継ぎのタイミングをまだ覚えているのか?
まだ教室で女子と一緒に着替えなきゃいけないのか?
完璧にマスターしたバスタオル無しでパンツから水泳パンツに履き替える技をまだ使えるのか?
あの若い先生は西城ヒデキばりのブーメランパンツで今年もギャランドゥなのか?
そんな不安を感じながらもプール開きはやってくる。
当日は朝からハイテンション、着替えも今年からは男子偶数クラス、女子奇数クラスで別々。
バスタオルをマント風に背負いプールへ。
杉のスノコの上をガタガタ歩き 消毒プールへ。
その年初めて入る消毒プールの匂いは強烈で、消毒感が盛り上がる。
異常にこの匂いを好む同級生もいたなぁ。
そこから準備体操からのプール。
心臓マヒにならぬようプールサイドにかがみ水をすくい心臓のある方の胸ににぴちゃぴちゃ。
この行為がいかほどの効果があるかは未だに不明だが、この最中にプールに突き落とされたなら「心臓マヒになったらどげんしてくれるつかー!」と本気でキレていた。
プールに入ると、忘れていた泳ぎの感覚をだんだん取り戻す。
今年は自己最高記録が出るんじゃないかと期待も膨らむ。
プールに慣れてしまえばもう唇が紫になっても楽しく泳いでた。
そして、プール開きの夜は身体がポカポカしていつもよりぐっすり眠れたような気がします。
Kiyo
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