カテゴリーアーカイブ: ヒタスタイル コラム

ボンチサウンドフェノメノン

ボンチサウンドフェノメノン

ヒタスタイルコラム再録21 BSP2015終了2015年11月号掲載

10月18日 日曜日 第6回ボンチサウンドフェノメノン 2015 無事に終了したしました。 今年は、このヒタスタイルを初め、ラジオや新聞にたくさん取り上げていただき、例年にも増していろんな所から沢山のお客様がみえ、大変ありがたく思っております、この場をかりてお礼申し上げます。 その取材でよく聞かれる事のひとつに、終わった後 やったぜー!みたいな感じになるのでは?と、達成感ありますよね?と。実はこのコラムも終わった後のことを書こうと無理を言って締め切りを遅らせてもらってる。湧き出る達成感で筆が進むかもしれないな、と。 しかし、当然のようにお客さんや、スタッフ、出演者や携わってくれた方に感謝の気持ちはありふれてくるのだけれど、所謂 達成感と言うものは湧いてこない。もちろんイベントとしての反省点や改善点など業務的な事や、楽しんでもらったり、事故もなく終わった事への安心感はあるけれど、達成感というような感情が湧きあがった事は6年間一度もない。 代わりになんとも言えない、言葉にできない、まして文章にもできないような感情が溢れてくる。この感情が何なのか、それとも達成感が沸き上がる時が来るのか。 こんな極めて個人的なテーマもありつつ、毎年のように来て楽しんでくれるみんな、初めて来てまた来年も!と言ってくれるみんな、日田に来るのが楽しみと言ってくれる出演者の皆んな、出店に気持ちを込めてくれてるみんな、少しずつ増えてるボランティアスタッフのみんな、そんなみんなにどんな未来をみせてあげられるのか? その未来はこの盆地に音楽というものでどんな現象を起こす事ができるのか? まだまだボンチサウンドフェノメノンの冒険は続きそうです。 日田の皆さん、末長くお付き合いのほどよろしくお願い致します。

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ボンチサウンドフェノメノン

ボンチサウンドフェノメノン

ヒタスタイル再録 20 ズクナシとボンチサウンドフェノメノン 2015年10月号掲載

それは2010年。今から5年前、我々にとってはついこのあいだ。しかし生まれたての赤ちゃんはランドセルを選ぶようになり、ピカピカの中学生は進路を気にしだし、この街から旅立とうかと思いを巡らすようになるような歳月。
初めての野外イベントを終え 空っぽになってた頃にそのバンドは、この街のライブハウスに投げ銭ライブでやって来た。10人にも満たない観客の前で彼女らはキラキラのパフォーマンスを見せてくれ、初めてのインベントで弱った気持ちを音楽で奮い立たせてくれた。その夜彼女達としこたま呑んだ。
翌年の屋内イベントで初めてオファーをかけ、3年前からはメインの野外フェスにも来てもらっている。そのあいだに彼女達は4人から3人になってしまったけれど、パフォーマンスは凄みを増し、バラードは深く心に突き刺さる。
大西ユカリ、三宅伸治、加藤登紀子らとコラボし、フジロック、サンセットライブ、アラバキロックフェスなど数々のフェスに出演し全国の音楽好きの間で徐々に話題になっていく。それでも日田に来た時は「ただいま」と言ってくれ、ギンギンのステージを見せてくれ、打ち上げでは出会った5年前となんら変わらない笑顔で接してくれる「ズクナシ」今年も日田にやって来ます。
そして今年新たな出会いになりそうな若者が元キマグレンの「イセキ」。
2年前に日田にやって来て今年もやってくる「カサリンチュ」のマネージャー(日田出身!)から紹介頂いた。キマグレンを解散後ソロでやるにあたり、ギター一本でより多くの現場を踏みたいとの意思のもと、この田舎街のフェスにも気合十分でやって来る。紅白にまで出た彼が、行った事のないような場所のフェスにギター一本で立ち向かう姿勢に、今から会うのが楽しみだ。
そんな、ズクナシ・カサリンチュ・イセキ の他にも「Tokyo No1 Soul Set」「neco 眠る」「CYAN-MIKA」「ワンハーツ・スチール・オーケストラ」が出演する日田の野外フェス「BSP2015」10月18日中之島で開催です!

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はっぴいえんど

はっぴいえんど

ヒタスタイルコラム再録 19 はっぴいえんど 2015年9月号

YMOを初めて聞いたときの衝撃は、レコードジャケットのインパクトも手伝って中学二年生の心を直撃した。ピコピコサウンドに歌のない曲(歌詞のある曲もあるのだが当時のイメージとしてはそうだった)、それでいてノリがいい。赤い人民服にテクノカット、丸坊主中学生はもみあげのみ完コピ。キュージュやユキヒロもカッコいい、細野さんはシブいのだが14歳の心には響かなかった、しかし後に彼が中心的人物だと知る。

数年後の夏休み、うだるようなこの街の暑さの中友達の部屋にて、なんとも涼しげなリゾート感満載のイラストが描かれてるレコードジャケットを見つけ針を落としてもらった。シベリアや、カナリア諸島など多国籍感溢れる世界と涼しいサウンドが広がっていた。それは今でも夏になると聴きたくなる大滝詠一の A LONG VACATION というアルバムだった。

同じ頃、TVではアイドル全盛期。なかでも松田聖子は女子人気も獲得し不動のトップを突っ走っていた。そんななかとある女子の「聖子ちゃんはシングルもそうやけどアルバムもいいつバイ」発言を受け貸しレコード屋へ。確かにいい。先のA LONG VACATINON に入ってた曲や、今では卒業シーズンの定番になったユーミン作曲の曲などPOPSを極めた曲が沢山あった、大きなライナーノーツを眺めてると作詞家は全て同じ人、その後TVの歌番組でも作詞家としてのクレジットをよく目にした松本隆という見たことない人だった。

その後日田を離れた後にこの3人が同じバンドにいたことを知る。日本語ロックの元祖「はっぴいえんど」もう再結成は不可能になったけれども、彼らがずっとずっと語り継がれていくべきアーティストのひとつなのは間違いない。

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クリームソーダ

クリームソーダ

ヒタスタイルコラム再録 18 クリームソーダ 2016年8月号

夏休み明けたら急に。。。。特に中二の夏休み明けは背も伸びるし、髪も伸びる。

しかし残念ながら当時我々が通ってた中学校は、市内で唯一の男子オール丸坊主が校則。

従って8月31日のギリギリまで髪を伸ばす。

少しでも伸びると、その微妙な長さの髪の毛のサイドを後ろに流す。

目指すは、テレビで観た「アメリカングラフティ」やら「グローイングアップ」に出てくる、イカした兄貴たちがやってるリーゼント。その映画達から、ポマードなる整髪料がリーゼントに打ってつけという情報もいただく。

そして、ポマードをゲットした友達、サイドを颯爽と流してる頭に近づくと何やら甘い香りがする。

チョコレート!

チョコレートの香りのするポマードなんて!

いや 食い物の匂いのする身に付けるものなんて!

またひとつ大人の階段をのぼった。

そしてそのポマードを売ってたブランドが、当時みんなの憧れブランド。

ドクロのマーク、豹柄の財布、ペパーミントグリーンの流線型灰皿、猫のキャラクター、そのショップのメンバーがバンドを組みレコードも出した。

ファッション・音楽・文化 が一体となって田舎の少年達に飛び込んできた。

しかしながら、そのブランドを取り扱うお店はこの街には飛び込んで来なかった。

そこで、近くの都会に買いに行くものが現れ、その勇者に買い物を託す。

バッジを、ステッカーを、財布を、あのマークが入ったジッポを、例のポマードを。

翌日、チョコの匂いのポマードを塗り、ジーンズの後ろポケットに、きちんとブランドロゴが見えるようセットした豹柄の財布を押し込み、ラバーソウルを履いて友達と街を歩けば気分はあの映画の主人公。たとえ8月31日までの限定だとしても。

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日田祇園

日田祇園

ヒタスタイルコラム再録 17 日田祇園 2015年7月号

早いもので今年も半分を折り返しました。後半戦最初の日、7月1日は祇園祭にとっての元旦 小屋入りの日でもあります。

祇園山作りの始めるにあたりみんなで宴を催し、諸先輩達にお酌を差しつ差されつ、夏に結構な量の熱燗を流し込むがなぜか気持ちはしっかりしている。

宴は囃子の奉納で一気に祇園気分が盛り上がります。

昭和の時代は我々子供も参加し、日頃はお目にかかれないご馳走を前に祇園気分を盛り上げてました、まあオムライスとかそんな感じでしたがそれはもうご馳走中のご馳走でした。

宴が進むにつれ、近所のおっちゃん達がどんどん陽気になっていく、日頃ムスッとしてる感じのおっちゃんも赤ら顔で笑顔になっていく。お酒って楽しいものなんだろうな~と刷り込まれる。少し調子に乗ってビールなんぞを舐めてみるも、全く苦いだけで美味しいとは思わない。

中・高生になると小屋入りへの参加はしなくなるが、祇園本番に山により近いポジションで出場する。

そうなるともうお酒の洗礼を浴びる。

後ろ押しなどでかなりの量汗を掻くので喉カラカラ。

そうすると、あんなに苦かったビールも美味しく感じてしまう。

当時はお祭りに出てるときには、お祭りのルールにしたがい御神酒を口にし、流れの中で少々いただいても、先生や公的機関も大目に見てたおおらかな時代でした。

こうやって我々はお祭りとともにお酒の楽しさを覚えて今に至ります。

お酒のネガティヴなニュースが多い昨今ですが、この夏お祭りと共に美味しく楽しいお酒を皆さんで乾杯したいものですね。

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砂の嵐

砂の嵐

ヒタスタイルコラム再録 16 砂の嵐 2015年6月号

 

「おい 教えてやるき、誰にも言うなよ。真夜中2時か3時頃テレビでめちゃくちゃイヤラシイ番組がありよるきこそーっと見れよ。そうそう番組名は砂の嵐、絶対誰にも言うなよっ!」

中学に入り、そろそろ中学生ライフに慣れ、なんだか色んなモノに目覚めだした頃、聞きもしないのになんだか色んなコトを教えてくれた先輩からこう囁かれた。

深夜オールナイトニッポンを聴きながら待機。当時テレビは茶の間に一台のみ。2時少し前に忍び足で茶の間に浸入、後にも先にも 忍び足で自分の家を歩くのはあの時期の、アレに関する時くらいのものだろう。

音量を下げ、スイッチを入れる。。。

「シャーーーーッ」

しまった!どのチャンネルか聞いてなかった!

まさかNHKじゃないだろうから残る選択肢はふたつ「8」か「U」

家族が最後に見たであろうNHK「5」から「8」まで慎重に音をたてないようにチャンネルを回す。もちろんリモコンなんてない時代。チャンネルも重量感があり、回す音もとりわけ深夜には大きく響く。6・7・8!

「シャーーーーッ」

「Uか。。」

8からUは遠い。

一度家族の睡眠状態を確認するため意味のないトイレに行き慎重にチャンネルを回す。

8・9・10・11・12・U!

「シャーーーーッ」

先輩の家 福岡の放送映るって言よったねー。Uの他のチャンネルは幸いチャンネルに引っ掛かりがなくスイスイ回せる。所々弱い電波に反応し、なんか映ったような気がするがなんとなくこちらが望んでるような雰囲気ではない。

今日はここで諦めようとチャンネルを元のUに合わせようとしても放送終了なので「シャーーーッ」仕方なく適当に合わせて撤収。

翌朝、朝食時にUが映らんと大騒ぎ。音もなんか小さいね~なんて言われてる。その日はそそくさと朝食を済ませいつもより早く学校に着いたのは言うまでもありません。

今はもうデジタル放送になってあの伝説の番組「砂の嵐」を見ることができなくなってしまいました。

アナログの噂や都市伝説の嵐の中を自身の身体を使って蠢いてたあの頃の中・高生。現在の中・高生はデジタルやバーチャルの海の中を指先ひとつで蠢いているのだろうか。

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日田川開き観光祭

日田川開き観光祭

ヒタスタイルコラム再録 15 川開き観光祭 2015年5月号

今は毎年毎年時の経つのが早くなってます。小学生の頃は一生小学生じゃないのか俺⁉︎と思うほど時間はゆっくり流れてました、それでも3学期は比較的早く過ぎ新学期が来て学年がひとつ上がります。

我が母校では5年生になると観光祭でパレードする鼓笛隊のオーデションが始まります。我々は当日市内の小学校で唯一鼓笛隊ではなくトランペットやサックス、トロンボーンなどを有するブラスバンドでした。4年生の3学期頃から友達同士でどの楽器にしようかなどと話し合います。男子一番人気はトランペット、そして指揮者。少しやんちゃな子供はトランペットを希望し、キチンとした子供が指揮者を希望したように思います。女子はポンポンや、バトンが人気、他校と違い大人数の笛がない為、ほぼ女子人気はは踊り系に集中。

オーデションは第一希望の楽器で受け落ちたら、第二希望へと回るのですが、その時点で第二希望楽器が定員に達していると、もうその他大勢のタンバリンへ、というプロ野球ドラフト会議方式。特に五年生は第一希望逃すとほぼタンバリン決定!

私は勿論トランペットを希望しあえなく玉砕、第二希望の小太鼓も定員に達して見事ラブ・タンバリンズ。第一希望を小太鼓にして見事その座をゲットした友達に「トランペットやりてぇ~チ言よったや~ん」と文句を言いながらタンバリンを乱打しました。

そういえば 大太鼓や、ユーフォニュームなどの大物はやっぱりキャッチャーやキーパーやる子供がやってた気がします、オーデションが希望性なので勿論本人が希望しての事だったのでしょう、何が何でも皆平等って時代より、ちゃんと差異を自身もわかって受け入れ全力を尽くし、周りも認めるいい時代だったように思います。

それから練習が始まり放課後校庭をグルグル回る、帰りには傘で来年に向けて指揮者やトランペットの真似をしてイメージトレーニング。

そしていよいよ本番、集合場所の月隈小学校(現 咸宜小学校)に市内の小学校が集まります。他校はほぼ体操服、我々はこれも市内唯一の制服 日頃は冬でも半ズボンのこいつを恨めしく思ってたがこの時ばかりは、制服姿でトランペットを抱えてる6年生や、スカートを翻しながらバトンやポンポンをさばく女子を誇らしく感じました。

本番パレードは夢中であっという間に終わり、解散場所の竹田公園からはもう、花火を楽しみにしながらの街ブラ。

今年も初夏のキラキラするこの街の日差しの中を、鼓笛隊の音を響かせ行進する小学生の姿が今から楽しみです。

コラム後記 観光祭の鼓笛隊はいいね

日田の三大祭りの観光祭 花火が有名だがこの土曜日に行われる鼓笛隊パレードがいいんです。市内の小学校と、中高とブラスバンド部がある学校が日田市内をパレードする。今見るとなんだか泣ける。親世代というのもあるが、知り合いの子供でなくても小学生が頑張ってるのを見てるだけで泣ける年齢になってしまった。

あれだけの団体が音楽でパレードできる日田市川開き観光祭素敵です。

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