「街角の法律相談所」ドキュメント72時間

ドキュメント72時間

今回は法律相談所で72時間

新宿駅のほど近い相談所。東京の弁護士が交代で対応し30分5400円の相談料だという。

撮影開始!から画面は人にモザイクがかかる。そうだよねー。なかなか取材OKという風にはいかないだろうことは想像できる。TVラジオでガンガン流れてるCMは借金の過払請求が多い。そういう方はやはり取材NGだろう。

初日はまともにお話を聴けたのは一組、塗装職人の老兄弟。相談内容は給料の未払い。人の良い、いかにも東京下町の職人さんって感じ。たけしくんはい!のお父さんの人の良い版てな感じ。それでも元受けからは、仕事が粗いなんか言われ泣き寝入りしようかと思ったが、一度相談に訪れたそう。ほんとよく契約なんかはわかんないけど、俺ら職人は契約書なんかなくってやってたよなー。なんて屈託なく笑う姿が印象的で。今まではそれでよかったんだろうけど、世知辛い世の中になったものだ。

そして番組は初日の撮影場所の相談所が終了時間。取れ高があまりにも悪すぎたんだろう。下町の夜8時まで空いてる相談所にもカメラを持ち込む。新宿と違ってこちらはまだ顔出しNGだけどお話はしてくれる方が若干多い。

それにしても、いろんな相談が持ち込まれるものだ。なかには?って案件もあるけれど、人に聞いてもらえれば少々すっきりとするのが人の常だろう。都会ではなかなか人に本音を話せないだろうからそういった意味でも重要な役割を果たしているのかもしれない。

全体的にこういう相談は、自分の都合と、相手の都合にズレが生じるから起こるのだろうけど。このズレ感は昭和のころからの古き良き時代には埋もれてたり、何とか折り合いをつけてきただろう事が、時代の閉塞感や、経済的理由で表面化してきたように思う。

個人的ハイライトは72歳のタクシー運転手。会社をやめ会社の寮を出ていかなければいけないが、行くところがなくて寮を出ると住所不定になって次の就職もままならないという。72歳のお年でまだ就職活動をしなければならないことや、身寄りもない都会でのこれからの暮らしに見てるこちらもつらくなった。本人も辛そうだった。それでも話してすっきりしたという言葉には救われる。

ラストは、きっぱりと取材を断られるシーンでエンディング。企画段階では行けると思っただろうし、見る方もこのタイトルでいろんな人間ドラマを期待したが、取材は予想以上に難しかったみたいでスタッフなかなか苦戦したであろう今回の72時間。お疲れさまでした。

 

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Kiyo

・九州の盆地大分県日田市でダイニングバーSTEPSを営む。 ・1967年生れ。地元日田高校から埼玉県城西大学へ、卒業後福岡にて宝石屋、レオタード屋さんを経て2003年帰郷。 ・STEPSを営む傍、2010年より野外音楽イベント「ボンチサウンドフェノメノン」を企画運営。 ・2013年から地元情報誌「ヒタスタイル」にてコラムを連載中。 ・2014年から音楽サイトにて記事を執筆。 ・2017年「ステップスカラー」オープン