ヒタスタイルコラム再録 25 ぴんちょこ


ヒタスタイルコラム再録 25 ぴんちょこ 2016年3月号掲載
ようやく春の兆しが見えはじめる3月。
今年の冬は暖かいと思いきや大雪が降ったりと寒暖の差が激しい冬で当然のようにインフルエンザも流行した。
今考えると、昔はよくあれでインフルエンザが移らなかったなぁ、いや、移ってたんだろう実際のところ。 今なら完全にアウト、市内全小学校で全面禁止あつかいであろう遊びがあった。
「ピンチョコ」 基本的には二人対戦型ゲーム。
ぱっちんを小型化したような絵柄と形で一円玉くらいの大きさのもの、これを机の端と端に置き、口で「ペッ!」とか「パッ!」とか発声しながら息でピンチョコを飛ばしながらお互い近ずいていく。
接近した後、テクニックを駆使し相手のピンチョコの上に自分のピンチョコを乗せれば勝ち。相手のピンチョコをいただけるというルール。
ローカルルールとしては相手に乗った時に裏表になってないと勝負はつかないってところもあった。
これは相手の上に乗りつつ相手のピンチョコを裏返すという高等テックニックが必要でなかなか勝負がつかなかった。
白熱してくるとお互いの顔が接近しながらの「ペッ!」「パッ!」の応酬になり間違いなくミクロ単位での体液のやりとりがあただろう。
潔癖化が進む今なら親や先生はもちろん子供自身も気持ち悪がる子もいるだろう。もちろん全面禁止扱い間違いなし。
しかしそこは昭和、ゆるくておおらかな時代。休み時間になると対戦者同士はもちろんギャラリーも含め数人で狭い机を取り囲んで白熱の勝負に熱中してた。負けが込んできて手持ちのピンチョコがなくなってしまえば、給食の時に取っておいた、最後の砦牛乳瓶の蓋で勝負を挑む。
しかし大きくて軽い牛乳瓶の蓋は圧倒的に弱かった。
そうなると帰りに駄菓子屋でなけなしのおこずかいで購入するしかない。
売られてる姿は、50枚位を、ちょうど硬貨の50枚入り棒と同じ感じ、ちょっとしたリッチ感を感じられた。
新品は淵にロウが塗ってあり、親指と人差し指で挟んで飛ばし距離で勝負なんてやってみたが「ペッ!」の方が圧倒的に楽しい遊び方だった。
ん!?もしかしてピンチョコ本来の遊び方はそっちだったんじゃなかろうか?
コラム後記 ぴんちょこ ではなく ローメン
コラム掲載後いろいろネットで調べると、当たり前だが「ぴんちょこ」は日田弁で通称「ローメン」というらしい。ローメン 蝋つきメンコの略らしい。と言う事はメンコ日田弁では「パッチン」の蝋付きなので、戦い方としては相手の上に乗るのは正しかったのか? これまたネットにあった情報によると、メンコ自体の遊び方に、丸い形状のものは遠くに飛ばし距離を競う遊び方もあったとの情報が。確かに遠い記憶を手繰れば、メンコの小さなV字型のくぼみの入ったタイプがあった記憶がある。ここにゴムをひっかけて飛ばす遊び方もあったようだ。その遊び方のコンパクト化発展形が、この蝋付きメンコで人差し指と親指でつまんで飛ばすとい事らしい。
いやぁネット情報もありがたい。
Kiyo
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