ヒタスタイルコラム再録 17 日田祇園 2015年7月号
早いもので今年も半分を折り返しました。後半戦最初の日、7月1日は祇園祭にとっての元旦 小屋入りの日でもあります。
祇園山作りの始めるにあたりみんなで宴を催し、諸先輩達にお酌を差しつ差されつ、夏に結構な量の熱燗を流し込むがなぜか気持ちはしっかりしている。
宴は囃子の奉納で一気に祇園気分が盛り上がります。
昭和の時代は我々子供も参加し、日頃はお目にかかれないご馳走を前に祇園気分を盛り上げてました、まあオムライスとかそんな感じでしたがそれはもうご馳走中のご馳走でした。
宴が進むにつれ、近所のおっちゃん達がどんどん陽気になっていく、日頃ムスッとしてる感じのおっちゃんも赤ら顔で笑顔になっていく。お酒って楽しいものなんだろうな~と刷り込まれる。少し調子に乗ってビールなんぞを舐めてみるも、全く苦いだけで美味しいとは思わない。
中・高生になると小屋入りへの参加はしなくなるが、祇園本番に山により近いポジションで出場する。
そうなるともうお酒の洗礼を浴びる。
後ろ押しなどでかなりの量汗を掻くので喉カラカラ。
そうすると、あんなに苦かったビールも美味しく感じてしまう。
当時はお祭りに出てるときには、お祭りのルールにしたがい御神酒を口にし、流れの中で少々いただいても、先生や公的機関も大目に見てたおおらかな時代でした。
こうやって我々はお祭りとともにお酒の楽しさを覚えて今に至ります。
お酒のネガティヴなニュースが多い昨今ですが、この夏お祭りと共に美味しく楽しいお酒を皆さんで乾杯したいものですね。
コラム後記 日田祇園ユネスコ世界遺産
コラムを書き始めて二回めの7月号、7月はどうしても祇園の話になってしまう。ヒタスタイルは毎月1日の朝刊に折り込みで入って各家庭に届く。7月の1日はコラム本文にもあるように小屋入りという行事が行われ、祭りの安全を祈念し皆で酒を酌み交わす。その前にお偉いさんのあいさつがあるのだが、この時このコラムの祇園ネタを話してもらった。それから毎年小屋入りの時はコラムのネタを話してもらっていてありがたいやら、恥ずかしいやらである。
そしてこのコラムから2年後2017年に全国山・鉾・屋台保存連合会に加盟する33団体とともにユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」として、「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されることが決定しました。つまり世界遺産登録と言う事だ。
参加している身としては全く光栄な話だが、それによって新たな問題や、課題も突き付けられる。一番は、各町内の神事として長い間形を変えずやってきたものが、ユネスコ世界遺産という観光バリューのあるコンテンツに選ばれたので、いかに観光に結び付けるか、というミッションが市役所を中心に発生し、神事と観光のはざまで様々な意見が出てるところである。
個人としては、今までやってきたことが評価されたのだから世界遺産になった途端、観光に阿るのはいかがなものかと思う。 ただ多く方に見てほししいし、やってるほうもお客さんが多いほうが気合も入る。この辺の着地点はこれからも議論されていくだろう。
Kiyo
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