日田スタイルコラム再録 33レコード盤2016年11月号掲載
告白します。 初めて買ったEPレコードはアリスのチャンピオンでLPレコードは全日本プロレステーマソング集です。
今でこそ音楽イベントを開催したり、お店ではサチモズよりサナバガンの方がイイだの、ダニーのライブは無人島に持って行くベスト1だののたまわってますが、入り口は身の回りにあった音楽。
ザベストテンやプロレス中継の延長線上。 興味をもった音楽を自分の好きな時間に好きなだけ聴けるアイテムはほんの35年前まではレコードしかなかった。
貸レコード屋さんが出現する前は1枚のレコードを選ぶのに何日もレコード屋さんに通い悩みに悩み抜いて1枚を選んだ。当時のLPレコードはほぼ1ヶ月のおこずかいと同額。お年玉の時期や臨時収入のあった時くらいにしか買えなかった。
あの大きさのLP盤をラックから選び小脇に抱えレジに持って行く時には少しの恥ずかしさと、いやこれ選ぶ俺ってカッコいいやろ的な高揚感が相まって、顔を紅潮させながら歩き支払いをする。
レコード屋さんのオリジナルな袋に入れてくれるのも嬉しいし、たまにポスターをレジ後ろの無造作に丸まられた中からプレゼントしてくれたりしてなお嬉しくなる。
家に帰り慎重に封を開ける、一緒に開封された空気も独特の香りを纏ってるような気がする。これまた慎重に中袋からレコードを取り出しターンテーブルに乗せ針を落とす。
右手はヴォリューム、当時はレコードによって結構録音レベルが違っていて、微妙な音量調整が必要だった。
音量が決まるとお楽しみのライナーノーツ、これまた慎重に引き出し読む。 読もうと思っても少しの写真と歌詞しかない1枚のペラ紙のやつにはガッカリした。A面が終わりまた慎重に裏返し針を落とす。
改めてジャケットを見渡す、ふと帯に隠れてる部分が気になり帯の裏を覗こうとして、ビリっと帯を5ミリほど破いてしまう、今まであれだけ慎重にやってたのにと自分に腹を立てながら46分が終わる。
B面の方がイイとか、あれイマイチかと思ったり。イマイチと思っても自己否定したくないので無理して聴く、下手すると好きなレコードより慣れるため数多く聴くうちに、良さが理解できお気に入りに昇格する。
今思えばすべての時間が愛おしい、久しぶりにレコード買ってみよう。
Kiyo
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