ヒタスタイルコラム再録 29 祇園 2016年7月号掲載
毎年 7月は祇園祭りをテーマに書かせてもらってる。
今年で3回目となるとさすがに懐かしネタも少なくなってくる。 そんな中、町内の役割決めの会があった。
毎年の事なので大きな役割の変化はないが、確実に皆さんひとつ歳をとっている、この先考えると不安が横切る。いや既に不安が的中している役割がある。
「神輿係」小学生が引張って練り歩く御神輿をコントロールする役割で通常は小学生のお子さんが居る者がつく事になってる。が既に小学生が居ないので誰かしらが役割を担う。
祇園山鉾の花形、棒鼻も人手不足になりつつあり各町内の若手の会が中心になって町内在住者以外にも広く参加を求めている。そして神輿や、山鉾の綱を引っ張る小学生、中学生でも大歓迎だ。
親が全く祇園出てなくても良い、我々の町内以外でもそうだと思う、もうドメスティックでは続かない、以前に比べ参加のドアは大きく開いている。
夏休みが始まったばかりの高揚感、大人の世界を垣間見る好奇心や、2日に渡って慣れない法被を着て草鞋履いて歩き回る疲労感、夏に初めのギラギラと照りつける太陽の痛みや、水が撒かれたアスファルトの匂い、少しサボって仲間と食べた駄菓子屋の人生最高のカキ氷の味、調子に乗りすぎて普段は優しい近所のおじさんに怒られた時の感情 いろんな事があの笛の音を聞くと今も鮮明に思い出す。
そんなかけがえのない瞬間を体験できる地元のお祭りにお子さんを参加させませんか? お知り合いの祇園関係者にお声をかけて頂ければ、思ったよりも優しく迎え入れてくれるでしょう。
素晴らしい夏の体験を是非祇園で!
コラム後記
このコラムを書いた年に日田祇園祭がユネスコの世界遺産に登録されるという嬉しいニュースが飛び込んできた。しかしその、第一回目の開催となる2017年には九州北部豪雨の影響で集団顔見世が中止になってしまった。
2018年の今年はなにごともなく平穏に祇園を迎えられることを祈りたい。
Kiyo
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