祇園と家族
いよいよ7月がやって来ました。
我々祇園の真っ只中の大和町では
すでにヨナヨナ熱い祇園トークが繰り広げられる時期です。
7月1日の小屋入りから始まり、
後片付けまで入れるとほぼほぼ1ヶ月間は祇園に費やされます。
準備段階では祇園の男衆はもちろん、
奥様たちご家族も一緒に準備があります。
山鉾を彩るアヤメやボタンのお花、
我々の町内ではご婦人方が手分けして制作してくれます。
この場で新人奥様はお花の作り方を先輩奥様に伝授して頂くという流れが今も脈々と続いています。
しかし、最近は日本の人口ピラミッドと同じく若手奥様の数は少なくなってきています。
日田の若手奥様予備軍の皆様、
是非この日田スタイルの特集でイケメンを見つけて町の先輩奥様と祇園のお花を作ってみませんか(笑)
7月も半ばになると準備が整い本番が近づいてきます。
本番1週間前には神輿洗い神事が行われます、
深夜に御神輿で町内の邪気を祓い
その後その御神輿を三隈川で洗う行事です。
御神輿を三隈川で洗うときには、
川の中に入って水をかけます、
従って法被とワラジで川の中へと入って行きます。
今の方が水が綺麗なのか、
昔の方が神輿洗いした後の法被やワラジは
なかなか強烈な匂いを発していたような気がします。
特に神輿洗い次の日の
ワラジと足袋は夏の日差しを浴びて独特の匂いを放ち、
これがまた祇園の近くづく匂いとして記憶されています。
そんな臭い足袋や法被も
当時は母が洗濯し
1週間後の本番にはパリッとした法被を用意してくれてます。
本番の日も
暑さで法被を1日2回以上着替えたり
突然の雨でまた法被が濡れたりしても
その日のうちに
2日目に向けて洗濯してくれます。
法被はもちろんハチマキや帯にも
きちんとアイロンがかかってます。
その合間にはお昼の弁当やらお酒やらを
ご婦人方は食事場所の公園に運んで準備をし
お昼の後すぐさま山鉾に向かう男衆を見送り
後片付けもテキパキとこなします。
町内によっては色々ご婦人方の役割分担も違うでしょうが
どこの町内でも山につきっぱなしの男衆だけでは祇園は行えません。
男女平等が叫ばれる今の時代からみれば
前時代的な男女の役割分担かもしれませんが
1ヶ月そうやって祇園を過ごし
無事祇園が終わると自然にお互いをリスペクトし合え
家族の絆も深まるような気がします。
そしてこれが毎年繰り返され
家族の歴史になって行くのだろうと思います。
そう、まるで表紙の家族のように。
Kiyo
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